不動産用語集【か行】

・カードロック(かーどろっく)
カードの磁気暗証番号を読み取り、旋錠、開錠ができる。高価なのであまり見かけない。


・買取保証(かいとりほしょう)

個人所有住宅の買換えや至急換金等、売主の事情によって不動産売却と資金調達が連動し、かつ時間的制約がある場合、不特定買主との合意による売買契約成立のみに期待することは売主にとって危険なので、売主の不安を除き危険負担を分散するため、一定媒介期間経過後に希望価格での成約に至らないときは、媒介業者が査定価格から公租公課と必要経費を減じた価格で買い取ることを約束することがある。これを買取保証という。実務上は新規物件販売のための下取り物件処理や買取り転売の手法として用いられる。この場合の査定価格は業者の転売危険負担を見込むので、通常の媒介の査定よりその分だけ下回る。


・買戻しの特約(かいもどしのとくやく)

不動産の売買契約と同時に、一定期間経過後売主が代金と契約の費用を返還して不動産を取り戻すことができることを内容とする契約解除の特約をいう(民法579条)。特別の合意のない限り、買戻期間中の不動産の果実と代金の利息とは相殺したものとみなされる(同法579条但書)。買戻しの期間は10年を超えることができず、10年を超える期間を定めたときは、その期間は10年とされ、その期間の更新は認められない。また、期間の定めをしなかったときはその期間は5年とされる(同法580条)。買戻しの特約の登記は、買主の権利取得の登記に附記して登記することとされており(不動産登記法59条の2)、この登記をしておけば第三者にも対抗できる(民法581条)。買戻しの特約は担保の一方法であるが、この目的で利用されることは少ない。住宅・都市整備公団等公的事業主が分譲した住宅・宅地等においては、転売防止などを担保するために利用される。再売買の予約は登記をせず、動産もその対象とされ、また再売買代金にも制限がない点で買戻しと異なる。


・価格査定(かかくさてい)

宅建業者が売却の媒介依頼を受けた不動産に関し、専門家の立場から依頼者へ助言する合理的希望価格の形成のための成約見込価格を調査・算出することをいう。業者は売買すべき価額について依頼者に意見を述べるときは必ず一定の標準的手法に従い、選択した取引事例を根拠として明示し、依頼を受けた不動産と比較検討して、客観性ある実際的な成約見込価格によらなければならない。この手法が価格査定マニュアルである。これに要する費用は媒介の成功報酬に含まれる(宅建業法34条の2第2項)。


・果実(かじつ)

不動産(元物(げんぶつ))から生み出される収益。家賃・地代などを法定果実という。


・片流れ屋根(かたながれやね)

滑り台のように、一方方向にのみ傾斜した屋根のこと。


・仮換地(かりかんち)

土地区画整理事業の円滑な進捗と関係権利者の権利関係の速やかな安定を図るために、土地区画整理事業の施行者が、換地処分を行う前において、施行区域内の従前の宅地について仮に使用収益できる土地を指定する処分を仮換地の指定処分といい、このようにして指定された土地を仮換地という。仮換地の指定処分がなされると、従前の宅地の権原に基づいて使用収益をすることができた者は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、仮換地について従前の宅地について有した権利の内容である使用収益と同じ内容の使用収益ができるが、従前の宅地については使用収益ができなくなる。


・元利均等返済(がんりきんとうへんさい)

住宅ローンなど高額な借り入れの返済をする時の方法、借入金額と支払い利息の合計を支払い回数で割り、均等に支払う方法。当初は利息分の支払いがほとんどの為、借入額は減っていかないが、支払金額の計画を立てやすいメリットがある。


・危険負担(きけんふたん)

建物の売買契約などの双務契約において、契約後類焼などによって建物が焼け、売主の引渡義務が履行できないようなとき、損害(危険)を当事者のいずれが負担するかの問題をいう。建物の引渡義務を負う売主(債務者)が代金を請求しえないとするのが債務者主義、買主(債権者)は代金を支払わねばならぬとするのが債権者主義である。民法の規定によれば、不動産のような特定物に関する物件の設定または所有者の移転をもって双務(売買等)契約の目的として場合は、債権者主義を採っているが、自動車を10台売買するというように種類と数量だけが定まっているような契約の場合は、どの自動車を売るのかがはっきりした時点、つまり不特定物が特定物に変わったときから、買主である債権者が危険負担することとなり(民法534条)、その他の場合は債務者主義を採っている(同法536条)。なお、実際の不動産取引の場合は、民法の規定とは逆に、特約をもって債務者主義を採っているのが一般である。


・記名(きめい)

文書などに氏名を自署以外の方法(ゴム印、印刷など)で記すこと。⇒署名。


・キャピタルゲイン(きゃぴたるげいん)

不動産や有価証券などの資産が値上がりすることによる利益。


・共益費(きょうえきひ)

管理費という場合も。共用部分(廊下など)の電気代や共用部分の清掃料等の費用。


・極度額(きょくどがく)

根抵当権の目的物により担保される債権の限度額。


・クローゼット(くろーぜっと)

収納庫全般を指すが、日本では特に衣類をしまう収納を指す。要は作り付けの洋ダンス。ハンガーを掛けられるようにパイプがついていて、奥行きは50cm以上。上下2段や3段に分かれているものもある。自分のライフスタイルにあっているか、使い勝手については内見時に確認する必要がある。(図面ではわからない)


・競落(けいらく)(けいらく)

競争入札した不動産を最高額で落札すること。


・検済(けんずみ)

建物検査済証の略。工事を完了した建築物およびその敷地が法令に適応していることを証する書類。役所が発行する。


・建築協定(けんちくきょうてい)

土地所有者および借地権者が、建基法の定めるところにより締結する建築物の敷地、位置、構造、用途、形態、意匠または建築設備に関する基準についての協定をいう。住宅地としての環境、または商店街としての利便を高度に維持増進する等建築物の利用を増進し、かつ、土地の環境を改善することを目的としている(建基法69条)。建築協定を締結しようとする土地所有者等は、その全員の合意により、協定の目的となっている土地の区域、建築物に関する基準、協定の有効期間、および協定違反があった場合の措置を定めた建築協定書を作成し、特定行政庁の許可を受けなければならない(同法70条)。


・権利書(けんりしょう)

登記済証のことを一般にこう呼ぶ。⇒登記済証


・更新料(こうしんりょう)

礼金と並び関東などで見られる慣習の一つ。賃貸借契約を更新する際、貸主に支払う一時金。新家賃の1ヶ月分が一般的。


・公道(こうどう)

一般公衆用道路のうち、国または地方公共団体が道路敷地の所有権を有し、維持管理する道路のこと。


・固定金利(こていきんり)

住宅ローンなどの借入金利の利率を固定すること。変動金利より高いことが普通だが、支払い計画を立てやすい。


・カーポート(かーぽーと)

敷地内の駐車スペースのうち、屋根のあるものはガレージ(車庫)、露出(青空)のものをカーポートという。舗装の有無は関係ない。


・買い取り保証(かいとりほしょう)

不動産Aを売却し頭金にして不動産Bに買い換える時、不動産会社が「不動産Aが売却できない場合には不動産会社がそれを買い取る」という約束をすること。一般的に、買い取り価格は、査定額を下回る。


・解約(かいやく)

当事者の一方の意思表示により、賃貸借、雇傭、委任、組合などの継続的契約関係を消滅させることをいう。契約の解除の場合、その効力が過去に遡るのに対して、解約は将来に向かってのみ消滅の効力が生ずるとされているが、民法上は解約と解除が混同して使用されており、明確な規定はない(民法541条、620条、625条3項等)。結局、売買、贈与契約等の非継続的契約関係の解約または解除はその効力が過去に遡るのに対して、賃貸借、雇傭、委任、組合などの継続的契約に関する解約または解除は将来に向かってのみ消滅の効力が生ずるということであろう。


・火災保険料(かさいほけんりょう)

掛捨て型の損害保険。建物賃貸借契約を締結する際に部屋の契約期間と同じ期間で保険を掛ける。保険内容は、家財(入居者の)保険・借家人賠償責任保険(貸主に対する損害賠償)・個人賠償保険(他人に対する賠償責任)が1つのパッケージになっている。実際には漏水により階下の部屋に損害を与えた場合、その損害を個人賠償保険で補填するケースが1番多い(免責あり)。掛捨てだが、中途退室した時には保険も解約できる。(いくらか保険料が戻る。)


・家事動線(かじどうせん)

住宅内において、通常の家事を行うのに必要な通路や配置のこと。使い勝手の良い家は家事動線を考えて建てられている。


・鴨居(かもい)(かもい)

襖や障子をはめ込む溝が掘ってある上側の横木のこと。洋風建築で育った人が増えているので、認知度は低い。⇒敷居


・仮登記(かりとうき)

本登記を行う以前に書類の不足等必要な要件を完備していない場合において、将来の本登記に備え、順位を保全する目的で行う予備登記。


・管理組合(かんりくみあい)

区分所有建物の建物全体の維持管理と、区分所有者間の権利義務を調整するため、区分所有者で構成される団体が管理組合である。建物の区分所有等に関する法律は、「区分所有者は全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。」(同法3条)と規定し、区分所有者は当然にこの団体の構成員となるとしている。一般には、区分所有者による集会を経て設立される。


・基準地価格(きじゅんちかかく)

都道府県知事が、毎年7月1日現在における各都道府県内の基準地の標準価格を10月頃に公表するもの。国土利用計画法による土地取引の価格審査の指標とすることを目的としている。調査対象は公示価格(都市計画区域内)とは違って全国的である。


・規約共用部分(きやくきょうようぶぶん)

区分所有建物の中の専有部分のうち、管理人室、集会室、物置、附属建物などは、本来、区分所有者全員の負担、利益とするところである。そこで規約により専有部分を共用部分にした区分所有を規約共用部分と言う。登記簿の表題部に”規約設定共用部分”と登記することによって、第三者に対抗できる。


・キャピタルロス(きゃぴたるろす)

不動産や有価証券などを売って損したお金。


・供託(きょうたく)

法令により金銭・有価証券またはその他の物品を供託所(法務局、地方法務局、その支局または法務大臣の指定する法務局等の出張所)に寄託することをいう。供託の内容を大きく分類すると、債務消滅のためにする供託(弁済供託)。一般的には、債権者の受領拒否、受領不能および債務者の過失なしに債権者を確知できないとき(民法494条)等。債権担保のためにする供託(担保供託)。相手方に生ずる障害を担保するための供託(宅建業法25条、旅行業法7条等)。単に保管を依頼するだけの供託(保管供託)。他人のものを勝手に処分できない事情があるとき(質権設定の際の支払いに関する供託(同法367条>等)。その他の供託(特殊供託)。公職選挙立候補者の供託(公職選挙法92条)等。供託の方法および場所等については、供託法および宅建業法等それぞれの法律で定められている。


・近傍宅地(きんぼうたくち)(きんぼうたくち)

評価対象地に接近した位置にあり、かつ評価対象地とほぼ同種類の土地。


・経年劣化(けいねんれっか)

建物の建具、空調機、給湯器などの付帯設備は年数がたつにつれ性能が低下する。中古建物売買のときはどの程度使用できるのか確認が必要である。


・建確(けんかく)

建築確認通知書の略。建築確認の申請があった建築物の計画が法令に適応している旨の通知書。役所が発行する。


・建設大臣免許(けんせつだいじんめんきょ)

不動産業者が複数の都道府県にまたがって事業所を置き、営業行為をする時に必要な建設大臣から受けた許可免許。


・建築協力金(けんちくきょうりょくきん)

おもにテナントビルの完成前に入居希望者からその使用面積割合で施主(ビルオーナー)に預ける金銭。入居希望者は使用権を確保し施主は資金の調達ができる。


・公庫融資適格住宅(こうこゆうしてきかくじゅうたく)

住宅金融公庫が優良な住宅の建設促進策として定めた規格条件を満たした住宅。借入期間や金利が優遇される。


・公図(こうず)(こうず)

登記所にある旧土地台帳の附属地図を公図という。土地の区画や地番が記入されているので、土地の事実概要を知ることができる。不動産取引における重要な資料として機能しているものの、古い資料なために精度が低く、弊害も発生している。


・朽廃(こうはい)

自然の推移により建物が社会的経済的効用を失う程度に腐食し損壊している状態。


・固定資産税(こていしさんぜい)

固定資産(土地、建物、償却資産)について、その年の1月1日現在の所有者に対し課される市町村税。


・買い替え特約(かいかえとくやく)

不動産を買い換える時に、契約書に「手持ちの物件が売却できない場合、不動産の購入契約を白紙(解除)に戻し、売主が既に受領した金額を返還してもらえる」という条項。


・開発許可(かいはつきょか)

都市化の進展に対しスプロール化の弊害を防止し、都市の健全な発展と秩序ある整備を目的として開発行為を許可制としているものである。具体的には、市街化区域および市街化調整区域に関する都市計画が定められた都市計画区域内で、一定面積以上の開発行為を行おうとする者に、知事または政令指定都市の長が与える許可をいう(都計法29条)。許可を必要とする面積は政令で原則として1,000平米以上とされているが、三大都市圏の一定の地域については500平米以上とされている。また、都道府県の規制により区域を限って300平米までの範囲で別に定めることができるものとされている。また、当該都市計画が定められていない都市計画区域においても3,000平米以上の開発行為を行う場合は同様にこれが必要である。市街化区域内での原則として1,000平米未満の開発行為、都市計画が定められていない都市計画区域内での農林水産業の用に供する建築物と、これらを営む者の住宅建設、駅舎等の鉄道施設・医療施設等公益目的のもの、国や地方公共団体の行うもの、都市計画事業・土地区画整理事業・市街地再開発事業・住宅街区整備事業・竣工告示前の埋立地開発・災害時の応急事業・通常の管理行為や軽微な仮設行為は許可を要しない。


・解約手付(かいやくてつけ)

いったん締結した売買契約を、後に解除しうることとして授受される手付をいう。一般にその金額についての制限などはないが、宅建業者が宅地建物の売主の場合には、20%を超えることはできない(宅建業法39条)。解約手付が授受されると、買主からはそれを放棄すれば、また売主からはその倍額を返しさえすれば、契約を解除することができる(民法557条1項)。ただし、相手が契約で定められたことを始めるなど履行に着手すると、手付解除は認められない。解除の方法などは一般の場合と同様であるが、手付額、または倍額のほかに損害賠償を請求することはできない(同条2項)。手付には、このほか証約手付、違約手付がある。


・瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)

売買の目的物に隠れた瑕疵(欠陥・欠点)があった際に、売主が買主に対して負う責任の事。契約時には分らなかったが、取得後に損害を受けた時には、買主は売主に損害賠償の請求ができる。又、瑕疵のために契約の目的が遂げられなかった時は契約を解除することも可能。その期間は買主が瑕疵を発見した時から1年以内。宅建業法では業者自ら売主となる場合は引渡日から2年以上の特約を定めることができる。新築住宅においては10年間。


・課税標準額(かぜいひょうじゅんがく)

不動産の課税計算にあたって、税率を乗じて税額を求める価額。


・カラ権(からけん)

⇒空権利証。所有権などの移転登記、抵当権設定などの抹消登記後の効力を失った登記済証書。


・元金均等返済(がんきんきんとうへんさい)

住宅ローンなど高額な借り入れの返済をする時の方法、借入金額を支払い回数で均等に割り、それに支払い利息を加えて払う方法。当初は支払金額が高いが、借入金額が減るにつれて返済額が少なくなってくる。元利均等返済よりも、支払い利息は少なくてすむ。


・管理形態(かんりけいたい)

マンション等の区分所有建物の維持管理については、通常管理組合と管理会社との間に管理委託契約が結ばれ、その契約の内容に応じて管理形態が定められる。主な管理形態としては、次のようなものがある。巡回管理:管理人を定期的(たとえば週3回ゴミを出す日等)に巡回させて管理業務を行う形態住込管理:管理人が住み込む形態日勤管理:管理人を通勤させて業務を行う形態無人管理:管理人を置かずに、たとえば、清掃をパートタイマーを雇用して処理する等の形態で、いわば自力管理である。管理形態により管理の内容、サービス、費用が異なるので、それぞれのマンションの規模、立地条件、設備等により適当なものを選定すべきである。


・毀損(きそん)(きそん)

物を壊すこと、壊れること。傷つけること。


・客付け業者(きゃくづけぎょうしゃ)

宅建業者が媒介人(仲介人)として不動産の売買や貸借の取引に介入する場合、買主(借主)側の宅建業者のことをいう。 ⇒元付け業者。


・旧公図(きゅうこうず)

公図は約20年ほど前からA2サイズの透明なフィルムに書き直されている。(マイラー化)書き直す前の公図を旧公図という。巻物になっていて保管されているので閲覧するときは登記所の係員に申告する。


・共担(きょうたん)(きょうたん)

共同担保の略。同一債権の担保として、数個の不動産の上に設定されている担保物権。おもに抵当権、根抵当権に用いる


・クーリング・オフ(くーりんぐおふ)

宅建業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約において、宅建業者の事務所またはそれに準ずる場所以外の場所でなされた宅地建物の買受けの申込み、または売買契約について、8日間以内の場合には無条件に申込みの撤回または契約の解除ができる(宅建業法37条の2。これをクーリング・オフという。ただし、次の場合には申込みの撤回等ができない。申込みの撤回等ができる旨等一定の事項を告げられた日から8日を経過したとき宅地建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部が支払われたとき申込みの撤回等の意思表示は、書面により行う必要があり、その効力は書面を発したときに生ずる。この場合、宅建業者は速やかに手付その他の受領した金銭を返還しなければならない。


・競売(けいばい)(けいばい)

不動産の担保権を持つ債権者が裁判所に申し立て、債務者の不動産を競争入札の形式で売却しその代金を債権の弁済にあてる方法。⇒任売


・原状回復義務(げんじょうかいふくぎむ)

契約によって履行された給付をその解除によって契約前の状態に戻す義務をいう(民法545条1項本文)。契約の解除は、有効に成立した契約の効力を当初に遡って消滅せしめるものであるから、契約によって給付がなされていれば、それがなかったときと同一の状態(原状)に戻す義務を生ずる。ただし、物が第三者に転売されているような場合には、解除によってその所有権を奪うことは許されない(同条同項但書)。原状回復の方法は、物を給付したときはその物自体か、それができないときは解除当時の価格を返還すべきであり、金銭給付の場合には、受け取ったときからの利息を付して返還しなければならない(同条2項)。


・建築確認(けんちくかくにん)

建築物を建築しようとする場合には、建築主はあらかじめ、その計画が建築物の敷地、構造および建築設備に関する法令に適合するものであることについて、建築主事の「確認」を受けなければならない。建築確認申請を受けなければならないのは、特定の用途または一定の規模以上の建築物を建築し、または大規模の修繕もしくは大規模の模様替えをしようとする場合(建基法6条1項1号〜3号)、都市計画区域(都道府県知事が指定する区域を除く)内、または都市計画区域外で都道府県知事が指定する区域内において建築物を建築しようとする場合である(同条1項4号)。


・建蔽率(けんぺいりつ)(けんぺいりつ)

建築物の建築面積の敷地面積に対する割合のこと。建ぺい率制度の目的は、敷地内に適度の空地を確保することによって、日照・通風の確保及び延焼の防止を図ること。


・公示価格(こうじかかく)

国土交通省(土地鑑定委員会)が、毎年1月1日現在における都市及びその周辺地域等(都市計画区域内)の標準地(約17


・公正証書(こうせいしょうしょ)

公証役場の公証人が契約当事者双方・被相続人等の依頼により作成又は認証した契約書・遺言などの契約書類のこと。公証人は、法務大臣に任命された判事・検事・弁護士・法務局長などのOB。一般的にはなじみが薄いが、公正証書は契約履行を迫るには判決と同等の効力を持ち、離婚や財産分与、お金や不動産の貸借など幅広く利用されている。


・公売(こうばい)

公の機関が強制権限に基づいて行う不動産売買。租税滞納処分の一部として行われる財産換価処分。


・固定資産税評価額(こていしさんぜいひょうかがく)

土地課税台帳等、家屋課税台帳等、償却資産課税台帳に登録されている金額。土地については、3年に1度の評価替えとなる。固定資産税はもちろん、登録免許税、不動産取得税などの課税標準となる。


・解除条件(かいじょじょうけん)

将来不確定な事実が発生することによって、契約等法律行為の効果が消滅する場合の、不確定な事実をいう(民法127条2項)。条件のひとつであるが、反対に、契約等の効果の発生が不確定な事実にかかっている場合を停止条件という(同法127条1項)。売買契約を締結し、転勤になったらこの契約を失効させるという条項を入れるような場合、解除条件付売買契約という。条件を付けるかどうかは当事者の自由であるが、婚姻、養子縁組、相続の承認、放棄、手形行為(手形法12条1項参照)などについては、不安定な法律関係を続けることは相当でないから条件は付けられない。単独行為も、相手方を不安定にするから同様である(民法506条参照)。


・買戻し特約(かいもどしとくやく)

不動産の売買契約から一定期間が経過した後、売主が売買代金と契約の費用を返還して不動産を取り戻すことができる契約解除の特約のこと。売買契約と同時に交わさなければいけない。買い戻し期間は最長10年。


・家屋番号(かおくばんごう)(かおくばんごう)

原則として建物の敷地の地番と同一の番号で表示される。一筆の土地の上に数個の建物が存在するような場合には、その番号に符号を付している(例:2番の1、2番の2)。建物を特定するために定めた建物1個ごとの建物の番号。


・瑕疵担保責任についての特約の制限(かしたんぽせきにんについてのとくやくのせいげん)

宅建業者が自ら売主となる宅地、または建物の売買契約においては、瑕疵担保責任についてこれを負う期間(民法570条において準用する同法566条3項に規定する期間)をその目的物の引渡しの日から2年以上とする場合を除き、民法に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならないとされている。買主に不利な特約とは、瑕疵担保責任を負わないとするもの、これを負う期間を買主が知ったときより1年未満の期間とすることのほか、契約解除も損害賠償も認めず補修のみを行うとするもの、瑕疵の個所によっては責任を負わないとするもの等があげられる。宅建業法は、このような買主に不利な特約を制限するとともに、これに反した特約は無効としている


・仮設工事(かせつこうじ)

建物を建築する際、それに必要な施設や設備を臨時に設置する工事のこと。例えば、電気や水道、現場事務所やトイレなど。


・カラン(からん)

水道の蛇口。(オランダ語)


・官民査定(かんみんさてい)

公道や水路、国有地などの国、自治体が所有する不動産と民間所有不動産の境界査定の事。民間と民間の境界査定より時間、コストがかかる。⇒民民査定。


・期限付き建物賃貸借(きげんつきたてものちんたいしゃく)

平成4年8月1日に施行された借地借家法で、新たに設けられた制度。従前の借家法は、貸主側に特別な事情があっても、一時的に使用することを目的とする賃貸借と認められない限りは、すべてその終了時に正当事由が必要であった。そこで、借地借家法は、1転勤、療養、親族の介護その他の本人の意思を超えたやむを得ない事情で不在となる場合、借地借家法38条、賃貸人の不在期間の建物賃貸借、2または契約により一定の期間を経過した時に建物を取り壊すべきことが明かな場合、同法39条、取壊し予定の建物の賃貸借に、建物を貸すことができそうな一定の期間だけ建物を貸し、期限がきたら正当事由の有無にかかわらず、建物を確実に返してもらうことができるという制度を創設した。このような制度は、従来の借家法とは大きく権利関係が異なるものとなることから、契約を締結する際、次の要件が必要となる。1については、a転勤その他のやむを得ない事情があること、bその事情により一定期間その建物を生活の本拠として使用しないこととなること、cその期間の経過後は建物を生活の本拠として使用することとなること、dやむを得ない事情を記載した書面により、契約を更新しない旨の特約をすること。2については、a法令または契約により一定の期間を経過した時に建物を取り壊すべきことが明らかな場合であること、b建物を取り壊すべき事由を記載した書面により、建物を取り壊すこととなる時に賃貸借が終了する旨の特約をすること。いずれの契約についても、書面によることが、条文上要求されているので制度を利用するにあたっては、注意が必要である。特に1の制度は、サラリーマン等が転勤等で一時的に持家を貸す場合に利用できるため、リロケーションサービスとともに今後が注目されている。


・既存不適格建築物(きぞんふてきかくけんちくぶつ)

建基法の規定の施行、または改正の際すでに建っている建築物、または工事中の建築物で、当該規定に全面的に、または一部が適合していないものをいう。既存不適格建築物については、その適合していない規定に限り適用が除外され、同法3条2項、そのままその存在を認められるが、一定の範囲を超える改築等を行う場合には、同法の規定に適合するように既存の部分の手直しを行わなければならない。同法3条3項、86条の2。


・CADシステム(きゃどしすてむ)

コンピューターによる設計システムのこと。設計を自動化するとともに、3次元画像を作図できる。(建築に限らず、さまざまな分野で使われている。)


・給湯(きゅうゆ)

給湯器で集中的にお湯をつくり、各蛇口へお湯を送るシステム。3ケ所給湯(キッチン・バス・洗面)が一般的だが、分譲マンションなどでは洗濯機の所もついて4ケ所給湯もある。大半はガス使用だが、省エネ的な深夜電力給湯もある。【きゅうとう】と読む。


・共有・準共有(きょうゆう・じゅんきょうゆう)

複数の者がひとつの物の所有権を有する場合を共有、所有権以外の財産権を有する場合を準共有(民法264条)という。数人共同で、物を買ったり相続したりすると共有を生じ、各人はこの物の持分を有することになる。持分は合意、または法律の規定(民法900条等)で決まるが、それが明らかでない場合は均等と推定される(同法250条)。共有者は持分に応じて共有物全部の使用ができる(同法249条)。共有物の保存行為は単独でできる(同法252条但書)が、管理行為は過半数で決し(同法252条)、その費用は持分に応じて負担する(同法253条)。共有物全部の処分は全員一致でなければならないが、持分の処分は自由である。共有物の分割は協議により(同法256条)、協議が調わないときは裁判所に請求する(同法258条)。


・区分所有権(くぶんしょゆうけん)

一棟の建物に、構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所、または倉庫、その他建物としての用途にすることができるものがあるときの、その各部分を目的とする所有権をいう(建物の区分所有等に関する法律1条、2条1項)。この各部分は専有部分と呼ばれ、共用部分と区別される。専有部分については、一般の所有と同様に扱われるが、一棟の一部であるから共同の利益に反するような使用は許されない(同法6条)。共用部分に対しては専有部分の床面積の割合で持分を有し(同法14条)、共同で使用する(同法13条)。専有部分の処分は自由であるが、敷地利用権をこれと切り離すことはできず(同法22条)、共用部分の持分の処分もこれに従う(同法15条)。


・契約の解除(けいやくのかいじょ)

民法上は、売買・贈与契約等の非継続契約と、賃貸借、雇用、委任、請負等のように一定期間継続する契約の両方について「契約の解除」という用語を用いているが、本来は、売買契約等いったん成立した契約を一方の意思表示によって、当初に遡って解消させることをいう。契約の解除は、契約締結の際、一定の事由があるとき解除を認めるという合意をしておいた場合(約定解除権)か、履行遅滞(民法541条)、履行不能(同法543条)等、法定の事由がある場合(法定解除権)でなければ、これをすることができない。解約手付、買戻しの特約のあるときも解除権の留保があったものとされる。契約解除は相手方に対する意思表示でなされるが、履行遅滞の場合にはその前に催告を要する(同法541条)。解除により各当事者は原状回復義務を負い、もし損害があれば賠償請求もできる(同法545条3項)。なお、賃貸借、雇用、委任請負等の契約の解除については、将来に向かってのみその効力を生ずるものとされ、いつでも契約を解除することができるが、相手方に不利なときに契約を解除する場合は、損害賠償を支払わなければならない(同法617条、620条、626条、630条、635条、651条、652条)。


・現状有姿売買(現況)(げんじょうゆうしばいばい(げんきょう))

不動産取引で、売買契約書中に「現状有姿(のまま)」「現状有姿にて引き渡す」等の文言が記載されることが少なくないが、その意義、具体的な内容については業界でも定説がない。現状有姿は、引渡しまでに目的物の状況に変化があったとしても、売主は引渡し時の状況のままで引き渡す債務を負担しているにすぎないという趣旨で用いられることが多いが、単に現状有姿との記載があるからといって、これをもって直ちに、売主の瑕疵担保責任の免責についての合意があるとまでいえない(宅建業法40条、民法570、566条参照)。


・建築基準法(けんちくきじゅんほう)

昭和25年に制定された法律。国民の生命、財産、健康の保護を目的とし、個別の規制から都市計画まで、広く規制と罰則規定を定めている。


・権利金(けんりきん)

この言葉の解釈は時代ともに、当事者の合理的意思より判断により形成される。法律上の規定はない。昔は、のれん代又は、営業権と言う意味合いで、新しい借主が現借主にお金を支払らった。金額はまさしく当事者の合理的意思に基づいた。最近は、什器備品代、店舗造作代として、お金を支払う場合もある。しかし、取引を見てみると権利金の授受は少なくなってきた。


・更新手数料(こうしんてすうりょう)

更新料とは別に、契約書の作成を代行する不動産会社などに支払う費用。数万円〜家賃の半月分が一般的。


・更正登記(こうせいとうき)

登記手続きの際に申請人(代理人を含む)または、登記官の過誤もしくは遺漏により実体と異なった登記がされた場合にこれを訂正する登記。附記登記形式でなされ、当事者の申請で行われる。登記官の過失によるものは職権で行われる。


・戸建て(こだて)

独立して一戸として建てられた住宅で地面に接し1〜3階建てが主。共同住宅、テラスハウスなどと区別される。